今は朝の5時。
だが、俺は全速力で出口に向かって走っていた。背後には人獣型のモンスター"ギル"が迫っている。
兵士養成学園の生徒で戦闘力にかけてはピカイチの俺にとってはこんなザコモンスターなど朝飯前だけど流石に武装なしでパジャマを着込んでるのでは勝ち目は無い。
何故、こんなことになっているかというのは俺が寝ぼけてトイレと間違えて学園内に在る[モンスター訓練所]に入ってしまったからだ。
モンスター訓練所ではモンスターが野放しになっているので武装なしで入ることは自殺行為に等しい。
(ヤヴァイ!ヤヴァイ!)
俺は額に冷や汗を垂らしながら無我夢中で走るがモンスター訓練所はものすごく広く出口まではものすごく遠い。
俺がもう逃げるのは辞めて不得意ではあるが魔法を使い戦闘状態に入ろうとしたときだった。
「クロード?!そんな格好で何やってんの?!」
左斜め上にある岩の上から聞こえてきた驚きを隠せないような声は俺の幼馴染であるリーナのものであった。
俺がリーナの方を向き何かを言い返そうとしたときだった。
ギルの『突き』が腹目掛けて飛んできた。
俺は反射神経で腹直撃はさけることが出来たが左腕に喰らってしまった。
「痛っ」
俺は左腕の痛みを我慢しながら右腕に全神経を集中させた。
俺の右腕に眩しい光が空気中からバチバチと音を出しながら集まっていく。
「うぉらっ!」
右腕をギルの顔面に向けた瞬間、右腕に宿った雷はギルの頭部に向かっていき直撃した。
刹那、雷落したような閃光が辺りを多い尽くした。
初級雷魔法【クファルト】を頭部に喰らいギルはその場で失神した。
「ふぅ。」
俺は額の冷や汗を右手で拭い岩から飛び降りて駆け寄ってきたリーナに向かい笑顔でピースサインをした。
今の俺にはこれから起こりゆることなんて予想もしなかったから...。
今の俺には今のままで良かったから...。
第2話へ
あとがき
何と無く書いてみようと思い書いた小説。
短い第一話を書き終えたところだが第2話を書けるのだろうか...。
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